背景
大手飲料販売会社のC社では組織のフラット化を推進し、新しい人事マネジメントのコンセプトとして、営業機能の強化、世代交代の促進による人材フローの活性化、報酬の変動費化、若手社員のモチベーション向上と早期戦力化を実現することが急務でした。
そして新しい人事マネジメントの実現に向けて、新人事制度の導入が検討されていましたが、残された時間はわずかでした。そのため新人事制度の設計は短期間で行う必要があったため、弊社で具体的なプランを示した上でプロジェクトがスタートしました。
実施内容
新人事制度の方向性の確認
C社では新しい人事マネジメントのコンセプトに基づいた新人事制度の方向性がある程度決まっていました。そのため、これまでのC社の目指す姿の実現に向けた検討の経緯を確認することから始まりました。そしてこのコンセプトと新人事制度の整合性を綿密に議論することになりました。
その結果、人事側が認識している問題点からさらに踏み込んだ別の問題点も見つかり、それらの諸問題を横断的に解決できるような新人事制度の構築が必要となりました。
概要設計・詳細設計
今回は組織のフラット化に伴い組織マネジメントが大きく変わることから、組織運営の観点を重視して制度設計を進めました。
新人事制度の方向性を議論した結果、現状の人事課題としては、
・求められる仕事や能力の要求レベルが分かりにくい
・マネジメント力のある管理職を任用する仕組みがない
・人事評価から処遇決定までの仕組みが複雑
・評価結果について社員が理解できていない
・評価の視点が短期業績に偏っている
・評価の算出過程が複雑なため、納得感のあるフィードバックができない
・昇給や賞与に個人の貢献度がほとんど反映されない
・一般職と管理職で年収の逆転が発生
・競合他社と比較して、固定報酬の水準が高い
といったことが明確になりました。
現状の人事課題を踏まえ、新人事マネジメントの方針としては、
・社員が評価結果を理解できるシンプルな制度とし、経営の方向性を共有
・役割を人事処遇の基軸とし、貢献に応じた処遇の実現
・成果を業績だけでなく、人材成長を促進
・賞与原資の業績連動化
を掲げ、その実現にむけて新人事制度を設計しました。
具体的な新人事制度への展開では、等級制度は役割と等級を連動させ、求める期待役割を明確化しました。評価制度は短期的視点と中・長期的視点をバランスさせた成果評価を導入しました。
また、能力の開発途上にある一般職には能力の習熟を促す習熟度評価を導入しました。評価項目を絞り、評価算出過程のわかりやすいシンプルな制度により、管理職が評価をフィードバックしやすいようにし、人材育成に活用できるようにしました。報酬制度は人事評価による貢献度の差を報酬に反映し、また一般職と管理職で年収の逆転が発生しない仕組みにしました。賞与については評価によって変動する賞与の比率が高め、業績に応じた変動原資とすることで変動費化を図り、業績と処遇との連動性を高めました。
導入支援(アドバイザリー)
制度設計後は具体的な評価表などのツール類の詳細化を進めるとともに、制度移行プランの議論や導入までの労使交渉や社員説明会などのタスクと伝えるべきメッセージを具体化しました。
ツール類はA社の要望もあり、共通の運用ルールのもとで評価が行われるように具体化し、同一の視点で評価できるように配慮しました。