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大学等学校法人の人件費シミュレーション

人件費シミュレーションとは、中長期的な視点で必要かつ効果的な人事の打ち手(採用・処遇決定・教育など)を選択するために、今後の人員構成と人件費の成り行きと、人事の打ち手を講じた場合の効果を検証する人事マネジメント手法。

大学等学校法人の人件費シミュレーションでは、学校法人組織の特徴(学校設置基準等の法規制、非営利法人であること、定年年齢が高い、等)を踏まえた適正な人件費コントロールの方法を導き出すために有効とされている。


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学校法人において人件費シミュレーションが重要とされる背景

近年、収入源となる18歳人口が減少する一方で、大学数は増加しており、学校法人を取り巻く経営環境は、年々厳しくなっています。一方で私立学校では入学定員を割っている大学が45.8%となり、多数の私立学校で収益源の確保が難しくなっています(出典:2014年度日本私立学校振興・共済事業団調査)。

18歳人口については、2031年以降、今まで以上の勢いで減少が進むことも想定されており、早い段階で大学経営の健全化を図るための施策を打つことが求められています。

人材が最大の財産である学校法人では、「人件費」が運営費用の大半を占めています。そして、「人件費比率」と「人件費依存率」は年々上昇傾向にあります。


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これら「人件費比率」と「人件費依存率」が増加していくと、研究活動費や学生募集活動費を圧迫するようになり、このことが更なる収入の減少を引き起こすというスパイラルに入っていきます。こうした状況を避けるために、長期的な視点で人件費の変動推移を確認し、確かな数値に基づいて、段階的に人件費コントロールを行っていくことが、極めて重要です。


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人件費シミュレーションの機能とメリット

1.人件費の増加要因を把握しやすい

人件費シミュレーションを実施するメリットの一つは、人件費の増加要因を把握しやすくなる点です。人件費は個々人の人件費の伸縮と人員数の掛け算で構成されますが、個々人の年齢や置かれた立場は千差万別であり、個々人の有り様と人員の全体像の双方を正確に把握しておかないと、正しい人件費の推移は把握できません。

例えば、約7割の学校法人では、年功主義で教職員の俸給を決定するという調査結果があります。その結果、高年齢・高給与の教職員の比率が上昇し続けることが懸念されます。高給与の職員の比率が高まると、その分だけ、退職給与引当金や法定福利厚生費の負担も増加していきます。

このような状況において、広く一般企業で行われているような現在の人件費総額に昇給率を掛け合わせるだけの簡易的な人件費計算では、人員構成の違いによる人件費の増加要因を見落としてしまう可能性があります。

現在組織を構成する人員一人一人の位置づけを明確にし、個々人の報酬がどのように推移していくのかを見極め、それを合算することによって初めて、全体の人件費の推移が明らかになるのです。

2.あるべき教育組織の姿を描ける

メリットの二点目は、長期的視点に立ち、あるべき教育組織の姿を描くことが可能になる、という点があります。

学校設置基準では、学生数に応じて雇用すべき教員数が決められており、削減には限界があるのが現状です。また、安易な人員(教員)削減は、学校運営の生命線でもある「教育の質」の低下につながりかねません。

一定数以上を維持すべき専任教員の人件費が、今後10年間でどれほど上昇するかを確認することは、長期的な視点であるべき教育組織の青写真策定をするために役立つと考えます。



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クレイア・コンサルティングが提供する人件費シミュレーションの特徴

1.人件費の推移を正確に試算

クレイア・コンサルティングが提供する人件費シミュレーションは、より実践的な効果を出すべく、いくつかの特徴があります。その一点目は、学校法人の人事諸規定、人事運用の実態を、シミュレーションの計算過程や人件費シミュレーションの試算に完全に反映させ、今後10年間の総人件費推移を正確に試算できるシミュレーションファイルを作成する点です。


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試算結果は、総人件費だけでなく一人あたりの人件費や職種別人件費など、様々な観点からグラフ化して出力することが可能です。

2.法人内で自由に操作できるファイルとして納品

当社の人件費シミュレーションにおける特徴の二点目は、上記のファイルを活用して、法人内でパラメーター(変数)を自由に操作して、人件費削減効果を確認できる点です。


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ファイル上で人件費の上昇を左右するパラメーターを操作し、人件費削減効果を瞬時に確認することができます。例えば、「俸給表を一律に3%削減した場合」、「職員の新規採用を抑制した場合」、「役員(ポスト)を一定数削減した場合」などの人件費削減効果を確認することが可能です。シミュレーションファイルをご納品後、法人内において様々なシナリオで人件費シミュレーションを行う事が可能です。

特に、学校法人では諸手当の種類がかなり多くなっている傾向にあります。個々の諸手当について、改廃を行うことの効果を将来にわたって算出することも可能です。


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3.人件費上昇のメカニズムと問題点を解説

特徴の三点目は、人事制度改革の経験が豊富な当社コンサルタントが、各法人の人件費シミュレーションの結果を分析し、人件費上昇のメカニズムと問題点を解説する点です。

教員と職員では異なる処遇体系が適用されていることが一般的であり、人件費上昇のメカニズムも、教員と職員では全く異なります。教員と職員に分けて、人件費上昇のメカニズムを分析・解説いたします。


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あわせて、現行の人事処遇制度を大きく変更せずに、総人件費をコントロールする方法をアドバイスさせていただきます。ただし、人事処遇制度の内容によっては、総人件費のコントロール方法に限界があるのも事実であり、その場合は具体的な人事処遇制度の改定の方向性について提言させていただきます。

人件費シミュレーション実施のステップ

1.人件費構造の分析

最初に、人件費に関連する規程や労働協約、および教職員データ(人員構成、人件費水準)を網羅的に分析し、法人の人件費構造(変動のメカニズム)を網羅的に把握します。学校法人では教員と職員には異なる処遇体系が適用されており、教員と職員を区分して分析することが必要です。また、教員・職員ともに非正規(非常勤や契約)教職員の人員構成比が高いことが想定されることから、非正規教職員の人件費についても正確に把握する必要があります。

また、規程や労働協約と教職員データを比較し、規程外の運用やイレギュラー対応が行われている場合には、その背景をお伺いし、シミュレーション上で考慮すべきかどうか検討します。弊社の経験上、学校法人では個別事情を考慮した規程外運用が相当程度行われており、これらの背景を適切に把握しておくことが重要です。

この段階で、現行の人事制度において実行可能な人件費コントロール策をリストアップします。なお、職員あるいは教員のどちらかに限定して人件費シミュレーションを実施することも可能です。

2.シミュレーションのシナリオの設定

シミュレーションによって、どのような人件費コントロールの選択肢(シナリオ)と効果を検証するのかを検討します。シナリオは、教員と職員について、それぞれ別個に検討します。

例えば、下記のようなシナリオ設定が想定されます。


  • 採用人員数(新卒・中途)の増減による人件費への影響
  • 中途退職(アウトフロー)や契約非更新の促進による人件費への影響
  • 昇格率の増減による人員構成と人件費への影響
  • 昇給率の増減による人件費への影響
  • 給与テーブルの上下限の変更による人件費への影響
  • 賞与の支給率変動による人件費への影響
  • 諸手当の増減による人件費への影響
  • 正規教職員を非正規教職員に切り替えることによる人件費への影響
  • 非正規教職員の削減による人件費への影響

シナリオは、人件費コントロールが必要な背景や、コントロールしたい人件費の大きさなどを踏まえて設定します。また、シナリオの設定に際しては、学校設置基準等の制約条件について確認しておきます。

3.前提条件の整理

シミュレーションのシナリオと精度に応じて、適切な前提条件を設定します。例えば、今後の傾向や趨勢を把握するためのシミュレーションであれば最低限の前提条件に絞る、人件費管理のための精緻なシミュレーションであればできる限り前提条件に反映させるなど、適切な検証を行うために柔軟に前提条件を定めることができます。

まず、計算範囲と人件費増減ルールを整理します。計算範囲には算出対象者(教員・職員、正規・非正規、など)や算出対象項目、人件費増減ルールには評価・昇降給・昇降格ルール等があります。

次に、対応しない事項の整理を行います。シミュレーションの計算方法に反映させない内容や、固定値で計算する内容を明確にします。例えば、シミュレーション上は降格や制度変更を反映させない等があります。

上記以外にも、用語の意味や慣行などで固有のものや特殊なルール等、シミュレーションの計算方法に影響する内容を洗い出し、定義しておくことで、認識のずれや計算方法の誤りを防ぎ、正確なシミュレーションの作成ができます。

4.算出方法の定義

対象者区分ごとに算出項目とその算出方法を整理します。

単年度の算出方法
対象者区分ごとに算出対象項目を整理したら、算出方法の詳細を定義します。規程類に定められている場合はその内容に沿った算出方法とし、賞与や手当などは支給実態を分析して算出方法を決定します。


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シミュレーション開始翌年度以降の算出方法
長期シミュレーションの場合は、開始年以降の昇格を踏まえた算出方法を定義します。下図のイメージでは、開始年と開始年以降を比較し、翌年以降のシミュレーション対象者の特定と、昇格をシミュレーションに反映させる方法を定義しています。

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5.シミュレーションファイルの作成

定義した算出方法に基づいてシミュレーションファイルを作成します。

シミュレーションファイルでは、シナリオとして操作したい部分をパラメータ入力欄として設定し、シナリオを変動した際の効果を即座に検証できるようにします。

また、シミュレーション結果をわかりやすい表やグラフで参照できるようにします。


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6.シナリオ検証と報告

当初想定したシナリオの検証結果をわかりやすく解説いたします。

また、当初想定したシナリオでは、望ましい人件費コントロールが実現できない場合には、学校法人の特徴を踏まえて、教員・職員に分けて、人事制度の変更を含めた代替策をご提言します。

また、シミュレーションファイルは当初想定したシナリオ検証と報告後に、人事担当者が操作できるように操作方法を説明したうえでご納品いたします。法人内で継続的に人件費シミュレーションを行うことが可能です。


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