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TOP 明日からできる「部下への注意のコツ」

この記事でわかること

  • 部下への注意に悩む上司は、相手の反応への不安や、傷つけたくない気持ちの間で揺れやすく、その背景には責任感と配慮が両立しにくい構造があります。さらに、従来の指導方法が通用しにくく、伝え方に迷う場面も増えています。こうした中で、一度で解決しようとすると負担が大きくなりやすいため、短く対話を重ねながら相手の考えを聞くといった進め方が求められます。

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    部下に注意したときに、相手が急に黙り込んだり、明らかに表情を曇らせたりして、その場の空気が一気に重くなる。そんな経験はありませんか。

    感情的に怒鳴ったわけではないし、相手を傷つけないように言葉を選んだはずなのに、相手の表情を見て、「言わないほうがよかったかな…」「もしかして今の発言はハラスメントだと思われないかな」と自問自答してしまう。

    そんなふうに、注意した側が感情的に疲弊してしまうことは少なくありません。

    この記事では、そんな上司の悩みの構造を整理し、明日から試せる「部下への注意のコツ」について説明します。

    1.上司が抱えやすい悩みのタイプ

    部下に注意する場面で、上司が感じやすい悩みは、大きく分けると次の4つに整理できます。

    相手の反応が怖い

    ふてくされたり、黙り込んだり、逆ギレされたりする。注意したあとの空気が悪くなること自体がつらい。

    相手を必要以上に落ち込ませたくない

    少し注意しただけで強くへこんだり、自信をなくしたりする部下もいる。その反応を見ると、こちらまで罪悪感を抱いてしまう。

    自分の伝え方が正しいのか自信が持てない

    厳しく伝えればハラスメントと受け取られそうだし、やさしく伝えれば十分に伝わらない気もする。

    どこまでが指導で、どこからが価値観の押しつけか分からない

    スキルや業務の話であればまだ伝えやすいが、仕事への姿勢やふるまいに関わることになると、どこまで踏み込んでよいのか迷ってしまう。

    こうした悩みは、「ちゃんと注意しなければ」と感じる責任感と、「相手を傷つけたくない」という気持ちの狭間で揺れ動いてしまうからこそ生じます。

    責任感と配慮の間で揺れる管理職の葛藤

    2.部下に注意するときにしんどいと感じる理由

    理由1:上司としての責任感

    部下への注意に悩む上司には、仕事に対する責任感が強い人が少なくありません。

    「言うべきことは言わなければならない」「ここで指摘しなければ、周囲にしわ寄せがいく」――相手を叱りたいからではなく、仕事の質を守らなければならないと思うがゆえに、見て見ぬふりができないのです。

    理由2:相手を傷つけたくない気持ち

    その一方で、できれば嫌な役はやりたくない。相手を必要以上に傷つけたくないし、気まずい空気もつくりたくない。そう感じる上司も少なくありません。

    相手が注意されたときの気持ちを強く想像できるからこそ、言わなければならない自分を、どこか悪者のように感じてしまいやすいのです。

    たとえば、内心では次のように感じることもあるでしょう。

    • なんで毎回こちらが悪者にならないといけないのか
    • 自分ばかりが背負うのはおかしくないか

    でも、上司としての責任感が強い人ほど、こうした本音を表には出すことはできません。

    理由3:部下時代の経験が活かせない難しさ

    部下育成に悩む管理職の声としてよく聞かれるのが、「自分が受けてきた指導経験を、そのまま活かせない」というものです。

    自分が若手の頃には当たり前だった叱責やプレッシャーのかけ方も、いま同じように行えば、ハラスメントと受け止められるおそれがあります。

    「あのやり方を繰り返してはいけない」と反面教師的に振り返ることはできても、代わりにどう部下に接すればよいのか分からない。育成の責任はある一方で、頼りにしたい自分の経験がそのまま使えない。

    そこに、今の管理職が抱えやすい難しさがあります。

    3.一度の注意で、すべてを解決しようとしないこと

    では、どうすればよいのか。結論から言えば、「一度の注意で、すべてを解決しようとしないこと」がポイントです。

    責任感があり、相手の気持ちも考えすぎてしまう上司ほど、一回の会話で「問題を指摘し、納得させ、反省を引き出し、改善策まで決めようとする」ため、場の雰囲気が重くなってしまいます。

    具体的にどのようにすれば場の雰囲気を重くせずに注意できるのでしょうか。

    (1)まずは5分を目安に話してみる

    1回の注意で全ての問題を解決しようとすると、お互いに身構えてしまうことになります。

    そこで、「長くても5分だけ話せればいい」と考えてみてください。それだけでも、上司側の心理的な負荷はかなり下がります。常に全力で指摘しなくてもいいです。

    まずは、現状について互いに話し合う時間を数分取ることができれば十分です。

    (3)最初に相手の考えを聞く

    会話の中で押さえたいのは、次の順番です。

    1. 現在起きている問題や背景について、事実をすり合わせる
    2. その事実に対して相手がどう考えているかを聞く
    3. そのうえで、上司として気になっていることや期待を伝える

    上司:最近手戻りが続いていて、とても大変だと思います。(事実のすり合わせ)

    上司:〇〇さんが悩んでいたり、詰まっていたりするポイントはありますか?(相手の考えを聞く)

    この入り方なら、上司からは見えない部下の事情も確認できますし、部下としても注意を受け入れるための心理的なハードルが下がりやすくなります。

    上司から気になっていることや期待を伝えるのは、そうしたハードルが少し下がったあとで十分です。このときのポイントは、相手にとってプラスになる視点を示すことです。

    たとえば、

    • ここさえクリアできれば、もっと自信を持って仕事を進められるようになるはずだよ
    • 今のうちにここを直しておくと、後々のあなたがきっと楽になると思うよ
    • 中身はすごく良いものだから、ちょっとしたミスで評価が下がるのはもったいないと思うんだ

    といった伝え方です。

    前向きな目的のために話していることが伝わるだけでも、部下の受け止め方はかなり変わります。

    (3)簡単な注意なら、必ずしも別室が正解とは限らない

    教科書的には、注意は別室で実施すべきと言われがちです。もちろん、評価や厳しい指摘は別室のほうがよい場面もあります。

    ただ、簡単な注意であれば、必ずしも別室である必要はありません。むしろ、何でも別室で面談してしまうと、お互いに身構えるきっかけを作ってしまいます。

    小さな注意を、短く、こまめに伝える。その積み重ねが、かえって大きなすれ違いやトラブルを防ぎやすくなります。

    4.明日からできる部下への注意のコツ

    注意を受けて人が成長するまでには、どうしても時間がかかります。

    だからこそ、一度の会話で完璧な指導を目指す必要はありません。少し肩の力を抜いて、まずは次の3つを意識してみてください。

    • まずは5分を目安に話してみる
    • 最初に相手の考えを聞く
    • 簡単な注意なら、必ずしも別室が正解とは限らない

    まずは明日、ひとつだけでも試してみてはいかがでしょうか。

    明日からできる部下への注意のコツ
    明日からできる部下への注意のコツ

    執筆者情報

    • N.S

      理論やデータだけではなく、現場で働く人たちのリアルな声やニーズを大切にしている。現場で生じている困りごとを経営の視点から捉え直し、クライアントとともに現実的かつ実効性のある解決策を追求している。組織の中核を担う管理職が、現場と経営の両面から自社の制度や組織のあり方を見直すための視点を提供することを心掛けている。

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