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企業文化統合

企業文化統合とは、会社統合にあたり、新会社としての価値の発揮や社員の一体感を醸成し、新たな企業文化を形成するために行われる施策の総称。


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企業文化統合が必要とされる背景

新会社の企業文化は、旧会社の歴史的背景や事業構造に根差した、各社の社員の思考様式や価値観に基づいて形成されています。同業界内でのM&Aやグループ会社間での組織再編であっても、旧会社の成り立ちや経営方針に違いがある限り、企業文化の統合が必要となります。

企業文化は各社で独自に形成されるものです。組織体系や人事制度といったハード面での統合が完了したとしても、新会社の企業文化が直ちに統一されることはありません。もちろん、新会社として新たな歴史を積み重ねていく中で少しずつ形成されていくこともありますが、統一されるまでの間に、出身会社の異なる社員間で衝突が生じる可能性も少なくありません。旧会社の企業文化が一朝一夕に形成されたものでないのと同様、新会社の企業文化が自然醸成によって形成されるには一定以上の時間が必要なのです

新会社は出来る限り早期に統合効果を高めることが期待されます。にもかかわらず旧会社の企業文化が自然に統一されるのを待つということは、それまでの間、社員の思考様式や価値観のバラつきが放置されたままになるということです。

このことによって、せっかく導入した新しい仕事のやり方について、その重要性が理解・実践されない状態が続くなど、新会社のあるべき姿がなかなか実現されない可能性が危惧されます。例えば、旧会社のやり方が温存されるために、お互いの違いがチームとしての一体感を損なわせたり、反対に過度な他者尊重が生じて適切解に至らないことなどが想定されます。さらに、新会社としての適切な判断基準や拠り所がない場合には、一人ひとりの社員が旧会社での判断基準を元にばらばらに意思決定をするため、統合効果を得られないだけでなく、組織が停滞し、会社業績に悪影響を与える可能性すら懸念されます。

このような状況を回避するためには、統合後、早期に社員の価値観・思考様式の統一を図り、新会社としての企業文化を形成することが不可欠となります。

企業文化統合の機能とメリット

企業文化を統合するメリットは、業務手順や思考方式の共有・統一がもたらす遅延のない業務進行と、判断基準や意思決定の拠り所を明確にすることによる、チームワークの推進です。

社員が企業文化を最も感じやすい場面は、統合後の日々の業務です。同じ業種や業態の顧客を相手にしていた営業部隊であっても、各社員の出身会社によって、クライアントに対するアポイントメントの取り方や訪問時の人数、プレゼンの内容やキーとなる発言者、見積の出し方、社内承認の取り方など、ありとあらゆる要素が出身会社ごとに違うことを肌で感じることになるのです。

企業文化の統合は、これらの違いをまず受け入れ、新会社の方針に照らし合わせながら、最適な方法を一つ一つ選択していく作業です。そこでは、新会社の方針が最も重要な指針となります。この指針を新会社の社員に浸透させ、それらを業務手順や思考方式の統一へとつなげていくことが重要です。

クレイア・コンサルティングが提供する企業文化統合の特徴

クレイア・コンサルティングの企業文化統合における特徴は、現状とあるべき姿を明示することで、適切な対策を講じていく点です。

手法としては、主に従業員に対する調査などで現状の課題抽出を行い、そこから解決策を検討します。この調査においては、分析のフレームワークを設定し、「標準化されていない行動(個別具体的な手順・ルールが決まっていない行動)」に着目しながら、旧会社の共通点・相違点から各社の価値観・思考様式の分析を行います。

また、組織の暗黙的な価値観・思考様式をより具体的に抽出するために、調査の実施と合わせて旧会社の複数の社員に対して探索型のインタビューを行います。これらの手法に基づく調査・分析の結果から、旧会社それぞれの価値観・思考様式の特徴や新会社としてのあるべき姿とのギャップに着目し、優先的に手を打つべき課題の抽出と施策の検討を行っていきます。


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企業文化統合を導入する際の流れ

1.新会社における価値観・思考様式の定義

新会社における価値観・思考様式の統一を図るためには、「統合時点における旧会社の価値観・思考様式の現状」を把握した上で、「新会社の価値観・思考様式」はどうあるべきかを定め、最終的に定義する必要があります。

下図の会社では、旧会社の価値観・思考様式を把握するために、従業員サーベイという調査手法を用いました。調査の実施にあたっては、分析のフレームワークを設定しました。具体的には、業務遂行のプロセスを「問題の発見⇒問題への対応⇒解決策の模索⇒結果の検証」の4つに区分し、各プロセスで現れる「標準化されていない行動(個別具体的な手順・ルールが決まっていない行動)」に着目し、旧会社それぞれの共通点・相違点から各社の価値観・思考様式を分析しました。

また、暗黙的である組織の価値観・思考様式をより具体的に抽出するために、サーベイの実施に合わせて複数の社員に対して探索型のインタビューを行いました。探索型インタビューでは、仕事の実例を掘り下げてヒアリングを行うことにより、その背景にある価値観・思考様式の「共通性」と「再現性」を分析しました。これらの分析結果から旧会社の価値観・思考様式の特徴を把握し、新会社の価値観・思考様式のあるべき姿を構築しました。


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2.新会社の企業文化浸透・定着に向けた課題と対策の検討

新会社のあるべき姿と旧会社のギャップに着目し、優先的に手を打つべき課題の抽出と施策の検討を行います。下図の会社では、新会社の新企業文化浸透を阻害する要因として2つの課題が想定されていました。

課題1

異なる出身会社の管理職に対する部下の信頼度が低い場合、管理職を通じて新企業文化を伝達しても説得力がない。

課題2

同じ職場内に出身母体が異なる社員が混在することで、横のコミュニケーションを通じた新企業文化の浸透が困難である。


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これら2つの課題を解決するために、この企業では次の2つのアプローチを検討しました。


【アプローチ1:新企業文化の伝道者の設定】

企業文化の浸透度合いは、「何を浸透させるのか?」だけでなく「誰の発言であるのか?」にも大きく依存します。課題1が発生している場合、管理職を通じて全社員へ新企業文化を浸透させることは困難となります。

これを解決するために、新企業文化の「伝道者」を設定し、管理職と伝道者の双方に最優先かつ集中的に新企業文化を浸透させ、双方から全社員に向けて浸透させていくことが有効です。尚、課題2を踏まえ、伝道者を選定する際には、職場内の管理職と異なる会社の出身者であり、かつ他者に対する影響力が大きい「高業績者」を対象にすることが有効です。


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【アプローチ2:新企業文化の理解と実践】

新企業文化が確実に浸透するためには、「新企業文化が建前上のものではない」と社員が認識する必要があります。そのためには、「新企業文化は実現可能である」という自己効力感・自信を醸成することが必要です。

3.課題解決に向けた対策の実行

新企業文化が社員に対して浸透していない段階では、新企業文化に対する反発や誤った理解、現実とのギャップが生じることが想定されます。これらを回避するために、各社の状況に応じた必要な施策を、適切な段階を経て実行してゆきます。

下図の企業では、社員に対し「A.新企業文化を理解させる」「B. 今までの新企業文化の実践とその効果を伝える」「C. 新企業文化のもたらす効果に気付かせる」「D. 新企業文化の実践を促す」といった4つの施策を展開しました。


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これら4つの施策は、社員一人一人が新企業文化の意味を主体的に考え行動できるようになることを目指し、以下の段階を通じて展開しました。


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「新企業文化の理解」の促進と「今までの新企業文化の実践とその効果」を実感してもらうため、あらゆるコミュニケーションの機会を通じて社員に対し繰り返しインプットを行っていきました。例えば、理念推進委員会を立ち上げたり、理念共有会の実施や理念ブックの配布を通じて、新企業文化の理解の促進と新企業文化の実践の効果を共有しました。


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また、社内外の関係者との相互啓発・研修を通じて、一人一人が新企業文化の実践を体験できる場を構築しました。例えば、ワークショップを通じて、新企業文化を体現した好事例やエピソードを共有し、新企業文化の実践は会社の発展に繋がるという実感と自信を醸成しました。それにより、新企業文化は実現可能であるという認識を社員が共有できるようになりました。


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