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人材最適配置

人材最適配置とは、生産性の高い組織を実現するために、人員数・人員構成・配属状況を望ましい状態に導いていくための人事マネジメント手法。具体的には、適材適所の人事異動(会社内・グループ会社間)を行うための「人材と仕事のマッチングの仕組み」や社外へのアウトフローなどの手法が含まれる。



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人材最適配置が必要となる背景

日本の労働法では解雇に非常に厳しい制約が設けられているため、日本企業の人材フローマネジメントは、新卒採用から定年退職(あるいは定年後再雇用)までを見据えた超長期的な視点で行われます。そのため、ビジネス環境や経営戦略が変化すると、超長期的視点で行っている人材フローマネジメントと、その時々で最適な人員数・人員構成や人材配置のあり方にギャップが生じます。例えば、市場が拡大から縮小に転じ、マーケットにおける優位性を維持するために合併を行うと、合併後の組織や業務量に対してポスト数や人員数が過大となり、ポスト統合に伴う管理職のポストオフや人材のアウトフローなどが必要になります。

ビジネス環境の変化は早く、変化の度合いも大きく(あるいは厳しく)なっているのに対し、日本企業の人材フローマネジメントは労働法の制約を受けるために変化への対応能力に乏しく、人員数・人員構成や人材配置の非効率や不合理は企業内に蓄積していきます。

このような状態を放置すれば、企業の収益性は悪化していき、構造的な不採算状態に陥ります。日本の労働法では、この状態になって初めて退職勧奨や解雇などの強制的な人材アウトフローが可能になりますが、本来はこのような状態に陥る前に適法かつ効果的な対策を講じなければなりません。

特にM&Aの場面では、早期に目に見える統合効果をあげていくことが求められます。そのためには、M&A以前から統合前企業において蓄積されてきた人員数・人員構成や人材配置の非効率・不合理に加えて、組織統合によって生じた人員数・人員構成や人材配置の歪みを、速やかに解消していくことが求められます。


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人材最適配置の役割とメリット

個々のポジションに最適な人材を発掘・配置

ビジネス環境の変化や技術革新などによって、業務に求められる適性や役職者ポストに求められる要件も変化していきます。適材適所を適時に行っていくためには、人材と仕事のマッチングを流動化させていく仕組みが必要になります。

その一つ目は、人材のポテンシャルを見極めて発掘する仕組みです。人材のポテンシャルを見極める方法として、まずは人事評価があげられますが、人事評価には「評価者によるアマカラが発生しやすい」「現在の担当業務に対する適性の見極めはできても、その他の業務への適性を見極めるのは難しい」「毎年の昇給や賞与に反映されるため、処遇への配慮から補正・修正が行われて評価結果が実態を反映しなくなる」などの難点があります。そこで、人材アセスメントを導入し、「社外の専門家による統一目線での評価」「現在の担当業務に左右されない評価」情報を得ることで、人材のポテンシャルを発見しやすくする、などの工夫を行います。

二つ目は、人材と仕事の組み合わせを固定化しない仕組みです。特に重要な「役職(ポスト)」については、役職定年制や役職任期制を導入して、半ば強制的に役職任用の見直しを行えるようにするなどの工夫を行います。

また、「人材の発掘」と「人材と仕事の組み合わせの流動化」の両方の機能を備えた仕組みとして「社内公募制」があります。公募対象の業務やポジションについて、求める要件と応募条件を定めて公開し、社内から幅広く候補者を募ります。応募者のモチベーションを引き出すことができ、幅広く人材を発掘できるというメリットがありますが、応募プロセスの情報管理(守秘)や選定から漏れた人材に対するフォローなどの運用面での配慮が重要です。

上記のような人材と仕事のマッチングを流動化させていく仕組みは、対象となる仕事や組織階層、および流動化の規模(どの程度の比率の人材を動かしていくべきか)を踏まえて、効果的な組み合わせを検討します。


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人員数と人員構成を、業務量や付加価値生産性に見合った規模に適正化

業務量の減少や統合によって余剰となった人材を、人材再配置によって他の人材不足部門(場合によっては社外)に異動させることによって、業務量や付加価値生産性に見合った人員数・人員構成を実現できます。

そのためには、部門ごとの人員の余剰・不足状態を適切に把握する仕組みが必要になります。

例えば部門長へのヒアリングやアンケートで把握しようとすると、実は人員余剰状態の部門長であっても「人員に余剰はない」と言い、人員不足部門の部門長は必要以上の人員を要求してくる可能性があります。そこで、業務量や業務毎の人件費コストを調査し、データ化して分析する仕組みが必要となります。

特に、業務と担当している人材の人件費単価にミスマッチがある(人件費単価が高すぎる)場合には、人員数が適正(あるいは不足)でも、付加価値生産性は低い状態になります。このような場合には、人員の再配置によって業務に見合った人件費単価の人材(非正規労働者の活用を含む)を配属することで、付加価値生産性を適正水準に保つことができます。また、配属する人材の人件費単価を下げることで、その業務に投入できる人員数を増やし、一人ひとりの業務負荷を下げて品質や納期などの適正化を図ることも可能です。


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組織の枠を超えた全体最適での人材配置

人材再配置の過程で、社内に再配置の場所が見つからない場合には、グループ会社への再配置、グループ外への転進支援(アウトフロー)など、組織の枠を超えた人材配置が必要になります。このように組織の枠を超えて人材再配置を行うことができる仕組みを持たなければ、余剰人材を社内の部門間で押し付けあうことになりかねません。

グループ会社への再配置を円滑に行うためには、人事制度の構造をグループ会社で共通化したり、グループ会社への転籍条件を具体化しておくことが必要です。特に転籍に際しては、社員の同意が必須であり、転籍前後の人事処遇格差への合理的な配慮や、適切なコミュニケーションプラン(キャリアプランを含む)の作成が重要です。

また、グループ外への転進支援(アウトフロー)の仕組み(再就職支援や割増退職金など)を導入する際には、法的リスクだけではなく、社内に残る社員の受け止め方やモチベーションに対しても極めて慎重に対応する必要があります。

このような組織の枠を超えた人材再配置の仕組みを持つことで、組織全体の人員数・人員構成のコントロール度合いが高まり、全体最適での人材配置を行えるようになります。


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クレイア・コンサルティングが提供する人材最適配置の特徴

1.様々な手法を戦略的に組み合わせて活用

「最適配置の状態」を実現するために必要かつ効果的な方法には、常にいくつかの選択肢が想定されます。例えば、合併時に過剰となったポストの削減とポストオフの実施に際しては、人事異動(役職任用)を適正基準で行うための人材アセスメントの導入、社内公募制による発掘・配置、役職任期制による段階的入れ替えなどの方法が選択肢として挙げられます。そして、これらの方法にはどれもメリット(効用)とデメリット(副作用)があります。

クレイア・コンサルティングでは、事業・組織戦略を実現するために最良の人材最適配置手法の組み合わせを、多角的な観点(効果の大きさ、効果実現のスピード、モチベーションへの影響、業務遂行への影響(混乱)の可能性、法的リスク、等)から検討してご提案します。

クレイア・コンサルティングのコンサルタントは「事業・組織戦略」と「人事」の両方に精通しており、特に人事に関しては、人事制度に限らず人事マネジメント全般の設計と運用の経験・ノウハウを蓄積しています。そのため、効果と実効性(実現可能性)を両立させる手法を、幅広い可能性の中から選択することができます。


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2.豊富な実戦経験を活かして人材再配置の副作用を抑制

人材最適配置は、すべての社員の意向が叶えられることはなく、また、現状の業務遂行にも多大な影響を及ぼす可能性があり、モチベーションダウンや混乱回避などの副作用を軽減・抑制する工夫が必要です。会社間の異動(転籍)やアウトフローを実施する場合は、法的リスクにも十分な配慮が必要です。

このような副作用は、人材再配置によって得られる効果の大きさや即効性と表裏一体となっています。副作用を回避することばかりを考えていたら、人材再配置は前に進みません。

副作用の軽減・抑制のためには、副作用が発生する可能性の予見とその影響の推定、および副作用の発生を抑制・軽減するための具体的な方策(ノウハウ)が必要です。クレイア・コンサルティングのコンサルタントは、人事制度の設計だけではなく人事マネジメントの運用全般についての詳細かつ実践的な経験を積んでおり、実例に基づいた副作用の抑制・軽減の方策(ノウハウ)を蓄積しています。


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3.説得力の高い人材評価(アセスメント)の活用

人材最適配置とは、組織的な効用・効果が最大化するように人材と仕事のマッチングを行うことです。最適配置を実現するためには、人材のポテンシャルを的確に把握することが極めて重要です。

事業環境や組織構造が大きく変化する局面では、従来の評価基準では、今後の仕事に必要なポテンシャルを十分に見極めることが難しい場合があります。また、仮に適正な評価基準が設定されていたとしても、多数の社員を同一目線で適正に評価するには高度な評価スキルが要求されます。特に合併などの場合には、これまでお互いに異なる評価の考え方・基準・運用に慣れていた評価者を、同一目線で評価できるようにするには相当の労力を要します。

そこで有効な方策が「人材アセスメント」の活用です。クレイア・コンサルティングでは、長年の優秀者分析などの知見とデータを応用して、被評価者の思考・行動特性を短時間(半日~1日)で深く分析することができる人材アセスメントツールを独自開発しており、組織の大規模な再編時など、多くの社員を効率的かつ信頼性高くアセスメントしたい場合に有効です。(詳細はサービス「人材アセスメント」の頁を参照)


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人材最適配置実施のステップ

1.人員数・人員構成・配置の課題分析

最初のステップでは、人員数・人員構成・配置の「あるべき姿」と「現状」を比較検証して、課題を網羅的に洗い出します。具体的には、総人員数の「過剰/不足」、年代別・資格等級別・職種別などの構成別の「過剰/不足」、そして特定のポストや役職階層における「求められる要件に対する現任人材のポテンシャルの不足」がどの程度発生しているのかを具体化します。

人員数や人員構成はデータによる分析が可能ですが、ポストや役職階層における「求められる要件に対する現任人材のポテンシャルの不足」については、経営陣や上級役職者へのヒアリングや、過去の人事評価の基準と実績の分析を組み合わせて行います。

人員数や人員構成のあるべき姿を具体的に数値化できない場合には、現状の人件費生産性を全社や部門別に分析し、他社ベンチマークなどを参考に設定する目標生産性を実現するために、人員数と人件費単価をどの程度修正していくべきかを検討します。


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※画像をクリックすると大きな画像をご覧いただけます。


2.人材最適配置のマスタープラン設計

人材最適配置のマスタープランでは、下記の事項について総合的に検討します。

【人材最適配置を完了させるべき時期(スケジュール)】

人材最適配置の実施時期を具体的に決定します。M&Aや合併の場合には、新会社・新組織の発足に合わせて人材最適配置を実行するために準備をすることが望ましいでしょう。但し、人材最適配置の規模が大きくなると、業務の停滞や混乱などの副作用も懸念されます。人材最適配置の実行までに十分な準備期間が確保できない場合には、新会社・新組織発足後に段階的に人材最適配置を行っていくなど、現実的なスケジュールを検討する必要があります。

【人材最適配置の手法の選択と実施プロセス】

人材最適配置を適切に実行するために必要な手法を選択し、実行プロセスを具体化します。代表的な手法は下記のとおりです。

  • 人材アセスメント(人材のポテンシャルを見極め、発掘)
  • 社内公募制(ポスト毎に求める要件を明確に示し、社内から配属希望を受付)
  • 役職定年制(一定の年齢でポストオフを実施)
  • 役職任期制(一定期間毎に役職交代の必要性を審査)
  • グループ会社への出向・転籍(人材が不足しているグループ会社への異動)
  • グループ外への転進支援制度(割増退職金支給や再就職支援を条件に退職を勧奨)
【人材最適配置の各手法の副作用を抑制・軽減する方策】

人材最適配置の手法は効用(メリット)を重視して選択することになりますが、一方で、副作用(デメリット)の発生にも十分な留意が必要です。例えば、社内公募制では、応募をしたが希望が叶わなかった社員のモチベーション対策や、応募の秘密を厳守する仕組みの整備が不可欠です。また、グループ外への転進支援制度の導入に際しては、転進支援の対象となる社員の理解・納得感だけでなく、転進支援制度の趣旨が、その対象とならない社員にも前向きに受け止められるような説明を行わなければ、「リストラ」との印象を与えて社員に不安感や不公平感を抱かせる可能性があります。これらの副作用の発生可能性と影響度を見極め、副作用の発生を抑制、または発生した場合の影響を敬遠するための方策を予め準備しておくことが重要です。

【配置の決定に向けた人選と組織内調整・決定のプロセス】

人材最適配置を実行しようとすると、その対象者の人選や再配置先の決定に際して、多くの利害関係者が生じます。これらの利害関係者の意向や不満をどのように把握し、調整や説明を行っていくかを検討する必要があります。人材最適配置の規模が大きくなるほど、この人選と組織内調整のプロセスに割くべき時間も長くなります。このプロセスを軽視すると、人材最適配置が一部の経営陣や人事部の独断専行として後ろ向きにとらえられる可能性があるため、慎重に検討すべきです。

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3.人材最適配置のための各種ツールの設計と実施準備

選択した人材最適配置の手法について、具体的なツールの設計と実施準備を行います。代表的な手法について、設計すべきツールや準備事項は下記のとおりです。

【人材アセスメント】
  • アセスメントのディメンジョン(能力測定項目と基準)を定義
  • アセスメントのツールを開発、または、適切な市販ツールを選択
  • アセスメント対象者の選定基準を定義
  • アセスメントの実施プロセスを具体化
  • アセスメント結果のフィードバック方法を検討
【社内公募制】
  • 社内公募の対象とすべきポストを選定
  • 社内公募対象ポストにおいて人材に求める要件を定義
  • 社内公募の告知と応募受付の方法を具体化
  • 社内公募の決定と社内調整の方法を具体化
  • 社内公募による異動の告知方法、および希望が叶わなかった社員への通知方法の具体化
【役職定年制・役職任期制】
  • 役職定年の年齢、または役職任期の年数を設定
  • ポストオフ後の処遇決定の方法を具体化
【グループ会社への転籍】
  • 転籍後の処遇決定方法の具体化
  • 転籍時の処遇格差是正措置等の具体化
  • 転籍同意の取得プロセスの具体化
    (上記に関する個人別の調整が円滑に進むようなグループ人事制度の検討)
【グループ外への転進支援制度】
  • 転進支援制度の対象とすべき社員の選定(公募または会社から特定社員に提示)
  • 転進支援の内容(割増退職金、再就職支援、特別休暇、有給休暇の取り扱いなど)の具体化
  • 転進支援制度の社内告知方法の具体化
  • 転進支援制度の対象者への説明方法と同意取得プロセスの具体化
  • 転進支援制度対象者の面接を担当する社員の選定とトレーニング方法の具体化

4.コミュニケーションプラン設計

人材最適配置は組織の全体最適の観点を重視して進められますが、各個人にとっては必ずしも望むような異動・配置とならないケースも発生します。人材最適配置の必要性や考え方には賛成できても、個別具体的な異動・配置のケースには納得できない、という「総論賛成・各論反対」が必ず発生します。

そこで、多くの社員が人材最適配置の意義を前向きに受け止め、個別具体的な異動・配置のケースについても前向きな解釈をするように導いていくコミュニケーションプランが極めて重要となります。

例えば、人材最適配置の必要性や考え方を、個々の社員に誰がどのように説明すべきか、という検討が必要です。この説明を上司に委ねると、個々の社員に伝わるメッセージは「上司が自身や部下の異動・配置を前向きにとらえているか」ということに依存することになってしまいます。また、人事異動の発令を辞令のみで行い、しかも異動の直前に発令しているような場合には、個別の異動・配属の意図について前向きに解釈することが難しくなります。

人材最適配置の必要性や考え方については経営陣や人事部門が全社向けにメッセージを発信することが必要です。また、個別の異動・配属のケースでは、異動前後の上司が異動・配属の意図について前向きに解釈して語る(期待を示す)面談を設定し、前向きなメッセージをしっかりと準備して伝えるように促していくことも重要です。

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