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人事統合シナリオ構築

人事統合シナリオとは、組織統合(合併に限らず、グループ会社の一体運営など複数の組織を統合的にマネジメントしていく場合を含む)に際して、その統合効果を最大化する観点から、人事リスク(人件費リスク、法的リスク、モチベーションリスク、運用リスク)を効果的に回避・軽減しながら、人事(処遇、人材フロー、社員意識)統合を進めるための方針とステップを定めるもの。


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人事統合シナリオ構築が必要となる背景

M&Aは日本でも主要な経営手法の一つとなっていますが、その成功率は依然として低く、成功裏に完了させるのは困難な状況です。そもそもM&Aはシナジーの最大化や、重複機能の削減等によるコストの効率化が主な目的となりますが、その成功の鍵を握る人的交流の早期拡大や機能重複部分の人件費圧縮、あるいは異なる強みを持った(出身組織が異なる)人材の有機的連携といった人事領域の課題の解決がうまく進まないことが、M&A失敗の大きな原因となっています。

人事領域の統合がうまくいかない最大の理由は、人事に関するリスクの複雑さにあります。例えば給与や退職金・年金といった処遇を統一するためには、不利益変更の「法的リスク」と「人件費増大リスク」がトレードオフになります。また、日本企業は統合前の会社の社風や基準、慣習などを重視し温存する傾向があり、統合後に新しい風土が確立出来ない恐れも小さくありません。そもそもM&Aは多くの従業員にとって"不安要素"であり、不公平感や被害者感情などが発生しやすい取り組みであることから、人事の統合作業には難しいかじ取りが必要になります。

つまり、人事領域の統合においては、統合後のあるべき姿を描くこと以上に、どのようにしてあるべき姿に到達するかという「過程」についての慎重かつ戦略的な検討が決定的に重要なのです。人事領域の統合過程では様々なリスクが複合的に発生するため、その発生を予測し、そのリスクに対して下記1~3の観点を慎重に検討し、最適な人事統合シナリオを検討しておくことが求められます。


  • 個々のリスクへの対応方針(回避か、軽減か)
  • 個々のリスクの相互関係
  • リスク回避・軽減のスピード感(あるべき姿の実現スピードとのトレードオフ)

人事統合においてリスクをゼロにすることはできません。仮に組織統合後も人事諸制度を統合しない、という方針を取ったとしても、異なる基準での人事処遇が存在することの不公平感や運用の複雑さといったリスクが発生します。人事諸制度について変更を加えようとすれば、必ず何らかのリスクが発生します。人事統合のリスクについては、必ず発生するものであるという認識に立ち、一貫性のある方針に基づいてリスクの回避・軽減を図っていくことが不可欠であり、人事リスクを踏まえた統合シナリオの出来が、人事統合(ひいては組織統合)の成功確率を左右します。


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人事統合シナリオ構築の役割とメリット

1.統合にまつわるリスクを勘案し、統合効果の最大化に向けた現実的な意思決定ができる

人事統合に伴うリスクは多岐にわたり非常に複雑な関係にあります。リスク間のトレードオフも多く、一つひとつのリスクに個別に対応方針を検討することは現実的ではありません(労力がかかる以上に、一貫性のある対応ができず、余計な混乱を生じることにもなります)。しかしながら、リスクが生じる以上、リスクの認識について経営陣と共有し、リスクの回避・軽減に向けて可能な限りの経営資源を投入できるようにする必要があります。

人事に関する統合シナリオを構築することで、複雑な人事リスクの全体像と、総合的なリスクの大きさと統合効果の関係について、経営陣(あるいはステークホルダー)と建設的な議論ができるようになり、必要なタイミングでの意思決定を促すことができるとともに、統合効果の最大化に向けて関係者の協力を得やすくなります。

2.統合にまつわるリスクを事前に把握することで、統合に伴う不安や混乱を軽減し、人事統合の成功確率を高めることができる

組織統合や人事統合は、社員に少なからず不安や混乱を生じさせます。そうした不安や混乱の原因と発生可能性、採るべき対応策を事前に整理しておくことで、人事統合のプロセスを粛々と進行することができます。社員の不安や混乱を事前に解消・回避しながら、人事統合のプロセスが粛然と進んでいくことにより、安心感や人事に対する信頼感を社内に醸成することができます。

(人事リスクが事前に想定できていないと、社員に不安や混乱が生じた都度、対応が後手に回ってしまうため、不安や混乱に拍車をかける状態に陥ってしまいます。このような状態に陥ってしまうと、経営陣や人事が発信するメッセージを前向きに受け取ってもらう事が難しくなり、組織統合効果を追求する様々な活動の成功に負の影響を与えてしまいます。)

3.組織統合に関わる様々な関係者・プロジェクトと有機的な連動が可能になる

人事統合シナリオのうち、とくに意識統合と人材フローの統合については、組織の変更、ガバナンスの仕組み(業績管理を含む)の変更、業務の統廃合などの進め方にも影響を与えます。組織統合が行われる時は、人事領域に限らず、経営企画、経理財務、情報システムなどの経営管理部門や、ラインの業務統廃合を行うプロジェクトチームなども様々な検討を同時並行で進めており、これらの関係者との有機的な連動が組織統合の効果実現を大きく左右します。

組織統合の検討初期段階で人事統合シナリオを構築し、人事統合までの見通しと想定されるリスク・対応策について、組織統合に携わる関係者と認識を共有しておくことで、組織統合のプロセス全体をスムーズを進めることができ、人事統合に対する関係者の協力・支援も得やすくなります。

クレイア・コンサルティングが提供する人事統合シナリオ構築の特徴

1.人事統合において発生する4つのリスクを正確に診断

M&A時に発生する4つのリスク(モチベーションリスク、法的リスク、人件費リスク、運用リスク)の許容度を見定めていきます。


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モチベーションリスクは、将来が不透明なことなどによる「不安感」、処遇格差などによる「不公平感」、処遇引き下げなどによる「被害者感情」、公平な評価の不在などによる「閉塞感」などを指しますが、これは中長期的に人員流出を引き起こす要因となるものであり、特に統合においては優秀者層において、出来る限りモチベーションを下げることのないように、十分な配慮を行います。

法的リスクは、社員の処遇引き下げなどによって発生する非合理的な不利益変更と、それによって発生する従業員からの訴訟リスクを意味します。訴訟リスクが高まり訴訟となった場合は、訴訟にかかるコストの他に、統合時期の延期や他の社員の動揺等、大きな余波が発生するため、慎重に検討を進めていきます。

人件費リスクは、モチベーションリスクと法的リスクを回避するための処遇条件統合費用と、既存の人事制度を運用し続けた場合の将来の人件費増加を主に指しています。モチベーションリスクと法的リスクは、この人件費リスクとトレードオフの関係となるため、単純にリスクの最小化を目指せばよいというものではありません。許容できるリスクレベルを勘案しながら、経営的に最も望ましい結果が得られるよう、適正な人件費のレベルを設定していきます。

そして運用リスクは、人事統合後の人事マネジメントを適正に運用していく上での障害要因を指します。具体的には、人事処遇に差がある場合や人員構成に大きな歪みがある場合に想定される人材配置・人材交流(人材フロー)の制約や、統合新会社での不公平な(甘辛の差がある)評価・処遇の元凶となりうる企業間の制度運用能力格差を意味します。この格差を将来的に是正しなければ、モチベーションリスクが高まる原因ともなりかねません。

上記の4つのリスクについては、各種規程や文書の分析、および実態データ(人員構成、処遇水準と格差、昇格率、など)に基づいた考察を行い、リスクの発生可能性と影響度を慎重に評価することが求められます。

クレイア・コンサルティングのコンサルタントは、組織変革のコンサルティング経験が豊富であることに加えて、人事諸制度の設計だけでなく導入・定着局面の経験も豊富に有しているため、人事リスクの評価について適切なアドバイスを行う事ができます。

2.ビジネス上の統合スキームに合わせ、最適な人事統合シナリオを選択

統合においてビジネス上の理由から選択される統合スキームに合わせ、最適な人事統合シナリオを準備します。


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統合のスキームは当然ながら人事だけの事情で決まるわけではなく、通常はビジネス的、財務的あるいは法的な要件によって決定されることがほとんどです。したがって、ビジネス上の理由から、人事的にはある程度のリスクを許容せざるを得ないケースもしばしば起こります。

クレイア・コンサルティングでは、そのような場合でも、ビジネス上の要請にこたえつつ、これらのリスクを出来るだけ軽減すると同時に統合スキームに沿った最適な人事統合のシナリオを比較し、決定を行っていきます。

また、特に法的リスクが高い統合スキームが採択されようとした場合などに、そのリスクの高さゆえに統合スキーム自体の見直しを提案するケースも多くあります。統合において、経営上最大の効果が見込める方策を幅広く検討し、最適な方策を提案していきます。

弊社のコンサルタントは、数多くの組織変革や人事変革の経験を有しており、クライアントの業種や事業特性、あるいは経営課題に合わせた独自性のある人事諸制度の構築と導入の経験を積み重ねています。これらの経験が、いわゆる「引き出しの多さ」となり、柔軟な人事統合シナリオ(リスクへの具体的な方策)を具体的に構築・提案する礎となっています。

人事統合シナリオ構築の流れ

1.実現すべき組織統合効果の設定

まず、人事リスクの評価(回避すべきリスク、軽減すべきリスクの優先順位、等)を行う前提となる「実現すべき組織統合効果」を明確にします。また、組織統合効果実現までのスピード感についても確認をしておくことが必要です。

確実に実現すべき組織統合効果については、リスクがあったとしても目標期限までにそれを実現できるような方策を検討する必要があり、その組織統合効果に直結する人事リスクについては、「回避」よりも「軽減」という方向性で検討を進める必要があります。

一方で、目指す組織統合効果に直結しない人事リスクについては、無用な不安や混乱を避けるため、および限られた人事部員の労力を重要な部分に集中させていくために、あえて「リスク回避」という方向性で検討することも必要です。

このように、人事リスクに対してメリハリのある対応方針を定めるために、実現すべき組織統合効果について(できるだけ目標状態や優先順位を具体的に)明確化することが出発点となります。

2.人事マネジメントの現状把握

このステップでは、人事統合の対象となる会社毎に、人事マネジメントの現状を可能な限り幅広く正確に把握します。具体的には、下記の2つの観点から現状把握を行います。


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【現状把握(1):仕組みとルールの把握】

人事管理に関連する諸規程・諸規則を網羅的に収集し、仕組みとルールを総合的に把握します。この段階での情報収集に抜け漏れがあると、人事リスクの見落とし、あるいはリスク評価を誤ることになるため、「このような規程・規則が存在しないか?」という観点で収集・確認していくことが重要です。
(後から「こんな規程が見つかった」というケースが往々にしてあります)

特に、下記の諸規程・諸規則は確実に収集・確認する必要があります。

  • 就業規則、および就業規則の条項に関連する諸規則
  • 人事制度(等級・評価・給与・賞与)に関する社員説明資料、運用規程、通達
  • 労使協定労働協約
  • 企業年金規約

労働組合との交渉や企業年金制度の改定は、人事統合の変更の中でも特にハードルが高い部分です。労使協定・労働協約と企業年金規約については、細部まで漏れなく把握しておくことが重要です。

【現状把握(2):実態の把握】

このステップでは、データに基づいて人事の実態を把握します。人事の実態とは、現状把握(1)で把握した仕組みとルールを運用した結果として、人員や人件費がどのような状態になっているのか、ということです。また、実態の把握を通じて「仕組みやルールがそのとおりに運用されていない」ことが明らかになることも多々あります。仕組み・ルールと運用実態が異なる場合、社員は仕組み・ルールを適切に認識していない可能性が高く、M&Aを通じた人事マネジメントの変更を伝える際のコミュニケーションプランには注意を要します。

  • 人員構成の実態(年齢別、等級別、役職別、職種別などの人員構成)
  • 評価・昇格等の運用実態(評価の分布率、等級別昇格率、評価フィードバックの有無など)
  • 人材レベルの実態(人事評価と昇格審査の実績データから推測)
  • モチベーションの実態(社員意識調査等の実績データから推測)

なお、実態の把握に際しては、データ分析を行った後で、各組織の人事担当や社員にヒアリング調査を行うことが理想的です。しかしながら、M&Aとは本来的に守秘性が高い案件であり、実際にはヒアリングを行うことが困難である場合がほとんどであるため、データ分析からの考察力が重要となります。

3.処遇統合の基本シナリオ設定

このステップでは、人事リスクを総合的に捉えるために、人事統合の方向性検討のたたき台となる処遇統合の基本シナリオを複数設定します。この段階で、様々な制約条件があって現実的に採り得るシナリオが制限される場合もありますが、基本的には下記の4つのシナリオを想定してみます。

【シナリオ(1):統合前の両社の制度を維持】

このシナリオでは、人事諸制度を変更しないため、法的リスクはほぼゼロに近づきます。人件費リスクについても、統合に起因する人件費上昇は回避できることから、リスクは小さいと想定されます。しかしながら、処遇水準が異なることによる不公平感や意識の壁は拭いがたく、モチベーションリスクが最大の課題となります。また、2つの人事諸制度を併存させることから、運用リスクも高くなります。特に、人事処遇水準が異なる組織間の人材交流はかなり難しく、組織統合後の人材フローの大きな制約要因となります。

なお、両社の処遇水準が近ければモチベーションリスクは低くなりますが、それならば両社の制度を統合する場合の法的リスクと人件費リスクも低く、それならば人事諸制度を統合した方が良い、ということになります。すなわち、シナリオ(1)を採用する場合は、人件費リスクと法的リスクが大きく、そのリスクを徹底的に回避したい場合、ということになります。

【シナリオ(2):どちらかの会社の制度に統合】

このシナリオでは、処遇が高い方の会社(A社)に合わせるのか((2)A)、低い方の会社(B社)に合わせるのか((2)B)によってリスクの様相が大きく変わります。

処遇が高い方の会社に合わせる場合((2)A)、人件費リスクは大きくなりますが、法的リスクはほぼ発生しません。モチベーションリスクは、B社の社員はリスクがないが、A社の社員は不公平感(B社の社員の人件費上昇分を、A社の社員も負担することになるため)を抱く可能性があります。

処遇が低い方の会社に合わせる場合((1)B)、人件費リスクは回避できますが、A社の法的リスクとモチベーションリスクは大きく、現実的にはかなり難しいシナリオとなります。
なお、運用リスクについては、人事諸制度が統合されるため、さほど大きくないと想定されます。

【シナリオ(3):どちらかの会社の制度をベースにして、一部を変更】

このシナリオは、上記のシナリオ(2)Aまたは(2)Bをベースにして、リスクが現実的なレベルになるまで制度変更を加えていくやり方です。例えば、総合的な処遇水準がA社とB社の中間に近づくように、両方の会社の制度を部分的に組み合わせていく(給与制度はA社、退職金制度はB社に合わせるなど)ことで、人件費リスクと法的リスクどちらも中程度に抑えることができます。また、A社のモチベーションリスクも軽減することができます。

但し、人事諸制度の繋がりに一貫性がなくなってしまい、運用が複雑になることから、運用リスクは大きくなると想定されます。

【シナリオ(4):新しい人事諸制度を構築】

このシナリオの特徴は、リスク対策の自由度が大きいということにあります。新制度の内容次第で人件費リスク、法的リスク、モチベーションリスクのバランスをコントロールすることができます。また、運用リスクについても、人事諸制度が一本化されるため、比較的高くありません。

但し、シナリオ(4)の難点は、新制度を構築して処遇等の変更を完了するまでに時間を要するということです。シナリオ(4)までを選択肢として検討したい場合には、人事統合の初期段階から人事リスクについて検討を始めることが重要となります。


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4.処遇統合シナリオ別のリスク評価(シミュレーション)

ここでは、処遇統合の基本シナリオについて、下記の観点からリスク評価を行います。

【(1)処遇統合時点で発生が想定されるリスク】

まず、人事処遇を統合する段階で発生が想定されるモチベーションリスク、人件費増大リスク、法的リスク、運用リスクを想定し、その発生可能性と影響度を評価します。

具体的には、上図のように各シナリオ毎のリスクの影響度について一覧化をすると、シナリオの優劣を総合的に検討しやすくなります。

【(2)処遇統合後10年程度の範囲で想定されるリスク】

次に、「このまま人事諸制度を継続したら(あるいは人事諸制度を変えたら)、人事リスクはどう変化するか」をシミュレーションします。具体的には、今後10年程度を想定して「昇格率、昇給率、役職比率、中途退職率」といった重要なパラメーターを変更した場合に、人員構成と人件費がどのように推移するか、またその推移は社員のモチベーションにどのような影響を与えると想定されるか、を確認します。このシミュレーションによって、今後10年間の人件費増大リスクと運用リスク(特に人員構成の歪みに起因する人材交流や人材配置の制約)が明らかになります。また、運用リスク(人材配置の停滞や昇格制限など)はモチベーションリスク(将来のキャリア不安など)を引き起こす可能性もあります。

組織再編の効果は比較的短期で求められることが多く、直近の人員構成や人件費にばかり着目してしまう傾向があります。しかし、10年単位で見ると定年退職者の増加によって人員・人件費ともに自然減に向かう企業は少なくないため、数年後には人材流出防止や人員確保が最重要課題となる場合もあります。人事諸制度の度重なる変更は、社員の不安や混乱に拍車をかけることになるため、最初の段階で10年先を見据えたプランを検討しておくことが望ましいと考えます。


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5.処遇統合の基本方針の策定

このステップでは、基本シナリオのリスク評価を総合的に勘案して、処遇統合の基本方針を選択します。この段階で重要になるのは、ステップ1で確認した「実現すべき組織統合効果」とステップ4の「処遇統合シナリオ別のリスク評価」を比較検討するという事です。リスク回避の方向にばかり意識が向かってしまうと、結局組織統合効果が実現できない、という結果に至ることもあります。組織統合効果を実現するために、とるべきリスクはとる、事前に準備することによってできるだけリスク軽減を図る、という姿勢で処遇統合の基本方針を決定することが重要です。

6.人事統合スケジュールの策定

このステップでは、処遇統合の基本方針に沿って、人事諸制度統合の具体的なステップとスケジュール、および連動した人材フロー(人材交流や昇格・役職登用)のシナリオを検討します。人事諸制度の統合スピードが早ければ、人材フローの自由度も増加します。反対に、組織統合効果実現に向けて人材交流や抜擢登用を積極的に行いたいのに、人事諸制度の統合が遅れているためにできない、という状況に陥ってしまう場合もあります。どのようなスピード感で処遇統合を完了すべきか、どの部分から優先的に統合すべきかを、具体的に検討していきます。


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7.基本コミュニケーションプランの策定

このステップでは、モチベーションリスクを踏まえて、組織統合と人事統合ができるだけ前向きに捉えられるように、社員へのコミュニケーションのタイミング・方法と、発信すべきメッセージを検討します。

例えば、処遇統合の方針について、社員への説明のタイミングが遅くなると不安や動揺が大きくなる恐れがあります。一方で、拙速に説明してしまうと、具体的な話ができずに余計な不安を生じさせたり、後から説明が変わって混乱をきたすという恐れもあります。また、組織統合において人事は大きな関心事ではありますが、人事処遇の方針だけが独り歩きしては、組織統合の目的や方針が適切に理解されなくなる可能性があり、組織統合全体のコミュニケーションプランと整合性を図りながら、人事処遇の説明を行っていく必要があります。

更に、人事処遇の方針説明に際しては、経営陣・経営幹部の理解度を十分に高めておくことも重要です。人事部が説明をした内容を、経営幹部が良く理解していないような場合、社員は不安や混乱を抱くことになります。人事諸制度は多岐にわたり複雑であるため、経営幹部に正しく理解していただくためには、何段階かに分けた説明・解説が必要です。そのような時間的余裕やステップについて、事前に想定しておくことも、人事統合を成功に導くためには重要です。

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