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「若手社員」コンピテンシーアセスメント

「若手社員コンピテンシー」アセスメントとは、専門家が科学的見地に基づき客観的に社員の能力や特性を測定する「人材アセスメント」のうち、若手社員が将来活躍するために必要となるコンピテンシーの保有状況を確認し、自己成長を促すためのツールや手法のことです。


コンピテンシー・アセスメントとは

人材アセスメントが生まれた背景

社員の評価を行う際、その社員に近しい上司や同僚、部下が評価者になることが一般的です。業務上近しい人間が評価をすることで、評価対象である社員の日頃の業務態度や仕事に対する姿勢を評価することが可能となります。しかし、この一般的な評価方法にはいくつかの弱点が存在します。

一つめは、評価者のスキルによって評価結果にブレが生じる問題です。これは評価スキルに起因する、評価自体の妥当性の信頼に関する問題です。評価者は現場の人間であり、評価の専門家ではないため、評価者の被評価者に対する好き嫌いや、評価対象ではない言動や行動が、評価に影響を与える評価バイアスが発生する可能性が高くなります。

二つめは、被評価者の異動先や昇格後の仕事に対する適性を判断・評価することが難しい点です。これは本当に見たい特性を評価が測定できているかを問う、評価対象の妥当性の問題です。評価者が見ているのは、あくまで現在の担当業務を行う対象者であり、仮に昇格の判断材料として評価を利用する場合、現等級の卒業要件(現在の等級に求められる要件を満たす)としては利用できるが、昇格後の等級の入学要件(その等級で求められる要件を満たす)としては不十分な場合があります。現等級と昇格後の等級で求められる能力や特性が異なる可能性があるためです。

このような問題を解決し、客観的な評価を可能にするツールとして、人材アセスメントが開発され、用いられています。

人材アセスメントは、1958年、アメリカのAT&T社がダグラス・ブレイ博士(Douglas Bray)の監修のもとで行動をベースに行ったヒューマン・アセスメントが産業界の最初と考えられます。これは管理職として成功する人物を見分けるためのもので、3日半の研修プログラムにおいて、演習(シミュレーション)、面接、投影テスト、筆記試験などを行い、25の能力要件について調べるというものでした。この手法はアセスメントセンター方式としてアメリカ企業に普及し、やがて全世界へ輸出されます。現在では教育研修、昇進選考、登用・抜擢、異動再配置、採用適性検査など幅広い範囲で利用されています。

このアセスメントセンター方式は、通常2~3日ほどの時間をかけて、評価対象者を日常業務とは異なる研修センター等の会場に集め、集中して実施することが通例です。このような形態をとることにより、測定の厳密さが増し、より客観的な評価が得ることが可能となります。しかしその反面、費用が高額になるだけでなく、対象者が長期にわたって日常業務から離れてしまうことにより、業務に支障をきたすことが多いのが実情です。

そこでクレイア・コンサルティングでは、より短期間で最大限の効果を発揮できる簡便な人材アセスメントを開発し、特に若手社員の育成や選抜に対して容易に活用できるよう、パッケージ化の上、安価かつ短期での実施を可能にしています。

「若手社員」コンピテンシー・アセスメントの機能とメリット

1. 現在の発揮能力ではなく潜在的に保有している特性や能力を測定

人材アセスメントは、通常業務の遂行能力ではなく、潜在的に保有している特性や能力の測定を目的としています。そのため、対象者が現在従事している業務では発揮できていない特性の有無を効果的に知ることが可能です。

先述の昇格の判断では、現等級で十分な能力を発揮しているかということと、昇格後に必要な能力を発揮できるかの2つが重要となります。前者については人事考課でも対応できますが、後者については対応できないこともあります。そこで、昇格後に必要な能力を定義して人材アセスメントで測定します。こうすることで、人事考課だけでは測れない対象者の適性を把握することが可能となります。

人事考課(人事評価)も人材アセスメントも、対象となる社員を評価し結果を処遇に反映させる、という点で目的は同じですが、その利用方法や特長にはいくつか違いがあります。


【アセスメントと人事考課の比較】


アセスメント 人事評価
評価者 第三者(専門アセッサー) 直属の上司
評価対象 潜在的に保有している能力 日常業務で発揮された能力
特長 評価者の主観に左右されない 日常業務の中で繰り返し観察(確認)できる

まず、人事評価は、通常業務でどれだけの能力発揮や成果を挙げたかを評価するために行い、日頃対象者と接している上司が評価者になります。一方、アセスメントは、日常業務で発揮されることが少ない特性の有無を判断するためのものであり、通常業務とは切り離した上で専門家によって評価が行われます。

両者に優劣はなく、「何を評価したいのか」という目的によって使い分けられることとなります。

2. 昇格・昇進の精度向上

対象者が持つ潜在的な能力・特性を把握することで、人事上の意思決定が行いやすくなります。例えば、担当者として秀でた活躍をしてきた人材が、管理者となってからも活躍するとは限りません。なぜならば、担当者に必要な能力と、管理者に必要な能力は異なるからです。しかし、通常の人事考課では、現在担当する業務の行動や成果しか評価しないため、管理者に必要な能力を把握することは困難です。

アセスメントは対象者の潜在的な能力を測定するので、管理職に必要な能力を測定でき、昇進の判断材料として利用することが可能となります。

3. 若手社員の成長を効果的に支援

社員が潜在的に保有する能力や特性を会社と社員の双方が把握をすることで、社員の成長を効率よく促せるようになります。具体的には、社員のキャリア開発や能力開発の方向性、自己啓発事項を明らかにすることが可能となります。会社側が将来成果を上げるために必要となる能力特性(以下、コンピテンシー)を提示し、社員が人材アセスメントで明らかになった自身のコンピテンシー保有状況を認識することで、社員は自己の目指すべき方向性を認識できるようになります。この方向性にあわせて学習機会を与え、本人が与えられた機会を克服することにより、社員のコンピテンシーを質・量ともに連続的に発展・成長させることができます。


アセスメントによる若手社員の成長支援

また、若手社員のコンピテンシーの保有状況を早い段階で把握することにより、将来の経営を担うリーダー人材の早期発掘・育成に役立てることができます。特に、若手社員と呼ばれる早い段階から、コンピテンシーの保有状況が高いと診断された社員に対して重点的に教育を行うことにより、人材育成の投資効果を高めることが可能となります。

クレイア・コンサルティングが提供する「若手社員」コンピテンシー・アセスメントの特徴

クレイア・コンサルティングが提供する「若手社員コンピテンシーアセスメント」は、社員のコンピテンシーを正確に把握するために、いくつかの工夫を取り入れています。

1. 将来期待される役割の遂行に必要なコンピテンシーを、過去のコンサルティングの知見から抽出


将来期待される役割の遂行に必要なコンピテンシー

過去の数多くのコンサルティングを通して培われたノウハウに基づいて、将来若手社員に期待される役割を大きく「問題解決」「対人関係」「基盤姿勢」のカテゴリーに分類し、カテゴリー別に役割を遂行するために必要な13のコンピテンシーを抽出しています。


各コンピテンシーの定義


状況把握力 目的に即して必要な情報を収集し、整理・分析することで状況の本質を捉える力
課題設定力 生じている問題事象の本質的な原因を洞察し、その解決策を策定する力
計画策定力 所与の資源の中で、課題を解決するための効率的な方法や手順を設定する力
意思決定力 業務遂行上の課題に対して合理的な思考プロセスに基づいて対策案を講じる力
実行管理力 適時予定と実績の差異を把握し、目標達成に向けて適切な対応策を講じる力
指揮統率力 組織が進むべき明確な目標を提示し、自ら先頭に立って組織を牽引する力
対人変容力 相手の立場や状況を踏まえた上で、効果的に自分の意思を伝達する力
エンパワーメント 部下・後輩への期待を明示して、仕事に対する自律的な取り組み意欲を高める力
CSR構築力 社会的責任を全うするために、常に社会や第三者の立場から自社を捉える力
迅速性 適せつなタイミングで決断し、効率性を高めてスピードを向上させようとする姿勢
革新性 組織にとって有効な解を導くために、既存の枠を超えて思考しようとする姿勢
一貫性 自分の主張を明確にし、始めから終わりまでその方針や考えを貫こうとする姿勢
バイタリティ 自ら高い目標を設定し、その目標の達成に向けて粘り強く完遂させようとする姿勢

2. 若手社員がリーダーとして行動する場面を設定


「若手社員」コンピテンシーアセスメントの特徴

演習を通じて候補者にコンピテンシーを発揮させ、その保有状況を診断することで、信頼性の高い測定を可能にしています。

例えば、若手リーダーとして職務遂行しなければならないさまざまな場面を設定し、対象者がその場面に相応しいと考える言動を記述する演習を行います。この演習は設問ごとに回答時間が決められているため、即座に対応しなければならない場面における評価対象者の能力を診断することが可能となります。

3. 筆記・記述式による独自の判定

通常よく使用されるマークシート等の選択式ではなく、記述式による回答方法を採用しています。

記述式にすることで、評価対象者に「実際にどのような行動をとるか」といった具体的な内容を記載させることが可能となります。このようにオープンな設問に対しては多様な回答を引き出せるため、採点する側も回答をさまざまな角度から測定することが可能となります。

また、場当たり的に回答を選ぶことも可能な選択式に比べ、記述式の回答では本人の意思が明確に表れていると考えられ、信頼性の高い結果を得ることができます。

そして、回答結果を測定する際は、専任のアセッサーが各回答の内容一つひとつをチェックし、採点基準に基づいて採点を行っています。例えば、「計画策定力」では、「計画立案に必要な項目を漏れなく検討できているか」「計画の質を高める工夫ができているか」の2軸の採点基準で採点を行っています。

4. 会社全体と個別社員ごとの詳細なフィードバックを実施

アセスメント結果は、全体レポートと個別レポートの2種類のレポートを提供します。

全体レポートは、会社全体のスコア一覧表やスコアの度数分布、強み・弱みの一覧表で構成され、アセスメント結果の全体傾向が把握できるようになっています。経年でご活用いただく場合は、過去からの推移のデータもレポートに追加します。

個別レポートでは社員個々人のコンピテンシー・プロフィールを詳細に確認できるようになっており、強み・弱みに関するアドバイスを記載しています。


アセスメント結果と詳細なレポート

「若手社員」コンピテンシー・アセスメント実施の流れ

1. 人材アセスメントの設計

アセスメントの演習を設計します。当社のこれまでの知見を集めた標準的な仕様をそのまま利用することも可能ですが、必要に応じて、特に細かく診ていきたい能力を2つ以上のコンピテンシーとして分割して評価を行ったり、各社の人材戦略上特に不要と思われるコンピテンシーを削ったり、会社独自の能力要件となるコンピテンシーを追加したりといった調整を行います。そして変更が加わったコンピテンシーについては演習自体に加筆修正を行います。

また、毎年、あるいは隔年で継続して使用する際は、過去の受診者から情報が漏れる可能性も考慮し、各回新たな演習内容を作成したり、回答パターンを変更するなどの調整を行います。

2. アセスメント演習の実施

「若手社員」コンピテンシーアセスメントでは、原則として「戦略演習」「行動記述」「自己診断」の3つの演習を行います。

アセスメント演習で使用するツール

「戦略演習」では設定された架空の企業のケースを読み、現場のリーダーの立場に立って各設問に回答します。環境分析やビジョン策定、部下の意識付けなどの能力を診断します。

「行動記述」では若手リーダーが直面するさまざまな場面が設定されており、対象者は場面に相応しいと考える言動を記述します。設問ごとに回答時間が決められており、迅速な対応が要求される現実のビジネスと同じような状態で評価対象者の回答を引き出します。

「自己診断」は日常的に若手社員がとるさまざまな行動が書かれた設問を読み、自分自身にどの程度当てはまるかを選択式で回答します。


戦略演習の設問一例
行動記述の設問一例
自己診断シートの一例

これらの演習を各社のご担当者の方々が社内で実施できるようマニュアルを送付します。

3. 測定・評価・フィードバックの作成

筆記試験の結果を集計し、コンピテンシーを測定します。測定結果はフィードバックレポートにまとめた形で提出します。

フィードバックレポートは、原則として会社全体の傾向を記載した全体レポートと、各社員の保有コンピテンシーを記載した個人別レポート(本人用と会社用)を作成します。

全体レポートは、全体スコア一覧表やスコアの度数分布、強み・弱みの一覧表で構成され、アセスメント結果の全体傾向が把握できるようになっています。過去の履歴があれば、過去からの推移のデータと弊社の考察もレポートに追加しています。育成計画等の立案のための参考情報としての利用を想定しています。

個別レポートでは、個々の社員が将来必要となるコンピテンシーの項目や、強み・弱みの一覧を記載しています。また、対象社員が今後経験することが望ましい業務や自己啓発に関するアドバイスも記載しており、社員自身による成長を促します。


アセスメントのフィードバックレポート

更に、必要に応じて、アセスメントの診断結果をもとに、組織的な課題についてアドバイスを行います。

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