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合併・再編に伴う労働条件・就業規則の統合

SUMMARY

労働条件・就業規則の統合とは、M&Aや組織再編において複数の会社を合併等で統合する場合に、円滑な業務運営を行うために様々なリスクを検討・低減しながら統合版の就業規則を制作する人事マネジメント手法です。

就業規則統合の概念

就業規則の統合が必要となる背景

M&Aや組織再編により、労働契約が統合される新会社に承継される場合でも、統合前の各社の就業規則を併存させることは可能です。しかし、一つの会社に勤務する社員に異なる就業規則が適用されると、円滑な業務運営を妨げるだけでなく、労務管理コストの増大、不公平感による社員のモチベーション低下といった問題が発生します。

一方で、就業規則の統合を行う場合、法的リスクや人件費増大のリスクが伴います。これらのリスクを回避しながら、就業規則を統合するためには、統合新会社の経営方針に則った人事制度の基本方針を策定し、それに基づいた就業規則の検討が必要となります。

就業規則を変更する場合、それぞれの会社にとって一部の条件が良くなったり、悪くなったりすることは一般的です。この場合に、報酬も含めた労働条件全体において、変更によるインパクトがどの程度あるのかを確認し、マイナスのインパクトが生じる場合は注意深く手を打っておく必要があります。

労働条件・就業規則の統合の機能とメリット

1. 円滑な業務運営の早期実現

就業規則を統合するメリットは何より、円滑な業務運営を行うことにあります。

出社時間や退社時間などの労働時間、年間の休日や休暇の取得条件・付与日数、割増賃金(残業代)や定年など、日々の業務遂行に直接影響する労働条件が一つの社内で複数存在していた場合、日々の業務を円滑に遂行することが難しくなります。

また、忘れがちなのが日々の通勤や出張旅費などの部分です。これらも統合がされていない場合、統合後すぐに業務を行う上で支障をきたすことになりかねません。これらについて混乱を招くことなくスムーズに統合会社での業務が行われるよう、早期に対応を図ることが重要となります。

2.コストの増大や社員のモチベーション低下を防ぐ

その他のメリットとしては、労務管理コストの増大や不公平感による社員のモチベーション低下を防ぐことが出来る点があげられます。

各社の就業規則を継続して使用した場合、残業時間等のそれぞれの就業規則が守られているかどうかの監視を就業規則ごとに重複して行わなければならず、労務管理コストが著しく増大することになります。

また、労働日数や有給休暇の日数、手当などについて同じ会社の同じ立場の社員の間で出身会社による格差が発生する場合、より低い水準の就業規則が適用された社員において、モチベーションの低下が見込まれます。

このような事態を防ぐ上でも、就業規則の統合は着実かつ迅速に行われることが望ましいのです。

クレイア・コンサルティングが提供する労働条件・就業規則の統合の特長

1.業務上優先度の高い就業規則を早期に統合

クレイア・コンサルティングが労働条件・就業規則の統合を行う場合の第一の特長は、統合会社の事業や組織運営をふまえ優先的に統合すべき労働諸条件を見極めて統合支援を行う点にあります。

【就業規則の優先順位評価】

就業規則の優先順位評価
就業規則統合の条件一覧

統合はしばしばその決定から実行までに十分な時間を与えられないことが少なくありません。

人事制度などの大きな枠組みはそのままで、まず企業の統合がなされることが多くあるのです。しかし、業務自体は滞りなく日々行われているため、就業規則についても優先順位を付けて、最重要な条件から統合を図っていく必要があります。

クレイア・コンサルティングでは、洩れなく優先順位付けを行いながら、業務上必要な就業条件の統合を早期に実現していきます。

2.人事方針や人事マネジメントの方針に沿って労働条件・就業規則を統合

当社の労働条件・就業規則の統合における特長の二つめは、各社の人事方針や人事マネジメントの仕組みに沿って就業規則を統合していく点です。

【人事制度の基本方針に沿った統合案作成イメージ】

人事制度統合案作成イメージ

就業規則を統合する場合、既存の各社の就業規則を比較するだけでなく、統合会社としてのあるべき姿を見据えながら、ゼロベースであるべき就業規則を構想していくことも重要です。

既存の各社の就業規則だけを比較し“いいとこ取り”をしただけでは、新しい統合会社で行いたいマネジメントにふさわしくないツギハギだらけの就業規則が出来てしまう可能性もあります。人心の掌握など、統合後の人事マネジメントが困難になる恐れも出てきます。

クレイア・コンサルティングでは、統合される新会社の経営環境やあるべき人事制度の方向性、人事制度設計上の制約条件などを加味した人事制度の基本方針を事前に策定し、その方針に基づいて各社の就業規則を比較検討しながら、就業規則の統合案を検討、作成していきます。

3.就業規則の統合におけるリスクを管理・回避

クレイア・コンサルティングの特長の三点目は、リスクを巧みに管理・回避しながら就業規則を策定していく点です。

【例】リスク分析

就業規則の統合におけるリスク分析例

就業規則の統合を行う場合、その項目によって各社の制度のうちより良い条件を選択することで不利益を回避したり、各社の条件を併存させたり、世間水準に合わせたりといった方策が取られます。

そしてそれぞれの項目を決定するに当たっては、モチベーションや人件費といったコストに関するリスクが付随してくるため、これらのリスクを精緻に見極め、人事制度の基本方針に照らし合わせながら、許容できるレベルまでリスクを軽減していくことが必要となります。

クレイア・コンサルティングでは、統合する就業規則の各項目について、統合案に付随するリスクを詳細に抽出し、それを管理あるいは軽減する上での方策を検討することで、新会社で許容可能なレベルまでリスクを軽減した就業規則の作成を支援しています。

労働条件・就業規則の統合の流れ

【労働条件・就業規則の統合の流れ】

就業規則統合の流れ

1.各就業規則内容の比較検討

就業規則の統合を行う場合、まずは合併各社の就業規則の比較表を作成し、各社の規則の相違点や差異の大きさを分析します。この時、ただ単純に表面的な金額や仕組みの違いの比較を行うのではなく、各社の規則に差が生じている根拠まで推測することが重要です。

これらの規則や制度はビジネス上の競争優位性や人材採用上の優位性を担保している場合があり、各社の就業規則を現在の状態にしている理由をふまえて統合案を作成することで、競争優位を支える要因を失うリスクを低減させる必要があります。

クレイア・コンサルティングでは、豊富なコンサルティングの経験や視点をもとに合併各社の競争優位の源泉を判断し、各就業規則内容の比較検討を進めます。

【例】就業規則内容の比較検討

規則内容の比較検討例

2.統合すべき就業規則の優先順位評価

M&Aや組織再編はしばしば短期間で実行されます。そのため、業務遂行上重要な労働諸条件から統合を行うことが必要です。特に重要となるのは、日常の業務遂行に直接的に影響を与える条件です。

労働時間や休日・休暇、出張旅費に関する事項など、日々の業務と密接にかかわる就業規則の統合は、円滑な業務運用や統合される新会社における一体感醸成のため、早期に統合することが必要不可欠です。

クレイア・コンサルティングでは、統合までの期間や背景など各社の事情に合わせて統合すべき就業規則の優先順位付けを行い、就業規則の統合案を作成します。

3.人事制度の基本方針と統合案の策定

統合案を作成する前に統合される新会社の経営環境やあるべき人事制度の方向性、人事制度設計上の制約などを加味した人事制度の基本方針を事前に策定します。労働諸条件や福利厚生の統合案は、この基本方針をベースに作成します。

最初に人事制度の基本方針を議論しコンセンサスをとっておくことにより、不利益変更が発生する項目が生じた際に合併各社からの不満が生じにくく、統合される新会社の経営方針や人事のあるべき姿に沿って就業規則を統合することが可能となります。

クレイア・コンサルティングでは、統合新社や業界を取り巻く環境や合併各社特有の制約条件をふまえ、人事制度の基本方針を策定し就業規則の統合案を作成します。

4.リスク分析とリスク回避策の検討

組織再編を伴う労働条件・就業規則の統合では、不利益変更等の法的リスクを抱えることが多くあります。

クレイア・コンサルティングでは、過去の判例やコストシミュレーションによって法的リスクやコスト増加を試算・分析し、不利益変更に対する代償措置やコスト平準策を提言します。許容できるレベルまでリスクを軽減化しつつ、統合新会社の経営方針の実現に向けたサポートを行います。

また、統合案を規程へ落とし込む作業についてもご支援します。

5.社員コミュニケーション(各社労働組合・従業員代表との協議・意見聴取/従業員説明会の実施)

就業規則の統合にあたり、統合前の労働諸条件がすべて維持されることは少なく、労働条件・就業規則の統合の趣旨を理解し納得してもらうため、従業員に対し段階的にコミュニケーションを図る必要があります。新会社の方向性や展望に対してモチベーションを高め、新会社の業務運営に邁進できる体制を強化することが必要です。

クレイア・コンサルティングでは、各社労働組合や従業員代表との協議・意見聴取による合意形成プロセスや、従業員説明会による従業員の新会社における処遇の不安を解消するプロセスについてもご支援します。

【例】社員コミュニケーション

社員コミュニケーション例

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