テーマ

ニューノーマルに対応した評価・フィードバックスキルのトレーニング(評価者研修の再構築)

本サービスは、中長期的なワークスタイルの変化の中で重要性を増す評価者の評価・フィードバックスキルを強化する観点から、従来の評価者トレーニングのプログラムを再構築するものです。


ニューノーマル(新常態)の組織で重要性を増すオンライン・コミュニケーション・スキル

新型コロナウイルス感染対策として、多くの企業が十分な準備なくリモートワーク(在宅勤務)を始めざるを得ない状況になりました。緊急時の対応策として始まったリモートワークですが、企業としては中長期的なワークスタイルの変化も見据えて、リモートワークの位置付けやそこでのマネジメントのあり方をどうすべきか、再検証を迫られています。

人事評価の進め方についても、withコロナ、afterコロナのワークスタイル変革の影響を必然的に受けることが予想されます。これまで対面で行ってきた目標設定面談/中間面談/フィードバック面談は、オンラインを活用したより高頻度のコミュニケーションに変化していく見通しです。また、評価者は物理的に近い場所にいない状態で部下の状況/仕事の状況を掌握し、オンラインでのコミュニケーションを通じて適切な方向付けや意識付けを行うことが求められるようになります。

ところが、オンラインでのコミュニケーションは対面でのコミュニケーションに比べて、非言語的メッセージが伝わりづらいという弱点があります。非言語的メッセージとは、表情・顔色・視線・しぐさ・姿勢など、言語以外の情報のことをいいます。お互いの感情や意思を伝える上で、非言語的メッセージは言語的メッセージ(言葉そのもの)よりも威力を発揮するといわれます。こうした非言語的メッセージに頼って部下を動かしていた評価者は、新しい環境下でのコミュニケーションに苦労することでしょう。オンラインのコミュニケーションという制約の中でも、相手の内面(感情)に関わる情報をうまく引き出すコミュニケーション術を学ぶことが必要です。

一方で、オンライン・コミュニケーションならではの長所を生かして、評価者のコミュニケーションの質・量を高めていくという発想も大事です。上司―部下の対面コミュニケーションにおいてこれまで曖昧にされがちであった、

  • 「部下に期待したいこと【要求的メッセージ】」
  • 「現状に対する見方・判断【審判的メッセージ】」
  • 「将来に対するビジョン【展望的メッセージ】」

の3つを明確化・言語化し、お互いの意見の違いを見えるようにすることが有効です。

期中の進捗管理については、アウトプットやスケジュールが明確な仕事であればオンラインでのコミュニケーションの方が管理しやすいといえますが、必ずしも現時点でそのような仕事ばかりではありません。評価者としては業務の進め方や体制・分担を見直していくことと並行して、部下のタイプに合わせた「報告のさせ方」「質問の仕方」のスキルなど、リモート環境下での状況掌握力を高度化していくことが求められています。

評価者研修の再構築によって期待される効果

1.期初の期待のすり合わせをより双方向に/本質的な次元で行うための習慣付け

一般的に、期初の目標設定は下から上に一方向に流れていくケースが多いと想定されます。つまり、被評価者が設定した目標を評価者である上司に提出し、面談で確認したのち、人事部や二次評価者以降に提出される運用です。本来であれば、部下が立てた目標をそのまま受け入れるのではなく、上位組織の目標や等級の期待役割に照らして適切なレベルの目標になっているかを検証し、必要に応じて修正させることが評価者には求められますが、1回の面談でそこまでのコミュニケーションができているケースはおそらく稀でしょう。

オンラインの長所を生かしたあるべきコミュニケーションとしては、より双方向のすり合わせが(1回の面談の場だけでなく)継続的に行われることです。目標設定の内容も、期初に時間と労力をかけて作りこむというよりは、走りながら適宜修正していく運用に変えていくことが望ましいと考えます。

このような方向で考えると、評価者トレーニングを通じて学ばせるべきスキルも重点が変わってきます。例えば、これまでの評価者研修で学ばせていたスキルの一つに「SMART」というものがありました。SMARTとは目標設定にあたって留意すべきポイントのことで、「S:具体的」、「M:測定可能」、「A:達成可能」、「R:成果志向」、「T:期日が明確」、の5つを指します。研修の中では、目標の記述をなるべく具体的で期末に測定可能な内容に記述することが推奨されてきました。つまり、目標設定の内容そのものを「作りこむ」ことが、評価の納得感を高める上で重要と教えられてきたわけです。ところが、双方向/高頻度のコミュニケーションを前提とすると、学ばせるべきスキルも変わってくると想定されます。

  • 目標の背景(より上位の目的・ミッションや会社にとっての意味合い)を伝え、意識させる力
  • 個人にとっての意味合いや展望を伝え、気づかせる力
  • 上記1~2を結び付けて解釈できるように導き、個人の「エンゲージメント」を高める力

上記の考え方のフレームワークやテクニックを研修を通じて浸透させることで、期初の期待のすり合わせがより双方向に/本質的な次元で行うことができるように習慣付けることができます。

2.期中のパフォーマンス・マネジメントを効果的に行うための必要スキルの習得

評価者に求められる機能として、パフォーマンス・マネジメントが注目されています。パフォーマンス・マネジメントとは単なる業績や進捗の管理にとどまらず、部下の主体的な意識・行動を引き出し成長を促すことを狙いとした人材マネジメント手法のことであり、高頻度の面談とフィードバックが特徴として挙げられます。実はこれまでも、優秀なマネジャーであれば当たり前に実行していた行動習慣といえますが、これを効果的に行うための基礎となるスキルを分解すると次の2つのスキルが挙げられます。

  • 「報告のさせ方」のスキル
    部下の成熟度やタイプに合わせて、報告のタイミング・頻度・報告内容をデザインする力
  • 「質問の仕方」のスキル
    質問を通じて、客観的な事実情報/あるいは本人の内面(感情)に関わる情報を引き出す力。また、質問を通じて本人に気づきを与え、次のアクションにコミットさせる力

上司が部下を定常的に観察できない状況においては、情報収集とフィードバックのための「場」を上司が自ら仮説を持って設計しなければなりません。こうしたスキルはリモートワークに限らず、高度な組織運営を目指す上で役立つと考えられます。

3.評価者間の目線のすり合わせと説明能力の向上

評価の目線(甘辛)には人によってバラつきがあり、自身の評価の癖や傾向を知るには、他者の付けた評価と比較してみるしかありません。評価者同士がお互いの評価の目線をすり合わせる「評価調整会議」は(工夫次第では)対面よりもオンラインがフィットする可能性があります。

コロナの影響で評価調整会議を初めてオンラインで実施した会社の事例です。これまで対面で実施していた際には、お互いが場の雰囲気や関係者の顔色を気にして活発な議論にならなかったところが、オンラインでは根拠となる事実に基づいてロジカルに評価の理由を主張し合う現象が見られました。昇格は会社の政策的な判断も入るため、完全にロジックだけで決められるわけにはいきませんが、少なくともその根拠となる最終評価の調整までは、ロジカルなコミュニケーションに強いオンラインでの調整会議が有効性を発揮する可能性があります。

期末の評価を実施する前に、評価調整会議の「予行演習」をトレーニングの一環として組み込むことが有効です。評価目線のすり合わせにあたって着目すべき下記の視点を明確にすることで、お互いの目線合わせと説明能力の向上を図ることができます。

-評価に値すると判断するための客観的な事実・情報は何か

-本人の努力や行動が成果に貢献したと判断する理由は何か

-同じような状況で成功を導く「再現性」が見られるか

-本人に対して評価を伝える際に留意すべき点は何か(現状に満足せず高みを目指すにはどう伝えればよいか)

クレイア・コンサルティングが提供する評価者トレーニングの特徴

1.期初面談の準備:フレームワークを活用したトレーニング

クレイア・コンサルティングでは、期初面談にのぞむ際に評価者が考えるべき枠組み(フレームワーク)をインプットし、演習を通じて理解浸透を図ります(下図参照)。

面談で仕事(個人目標)の話をするだけでは、部下は前向きに動いてくれません。個人目標の背景にあるもの(より上位の目的・ミッションや会社にとっての意味合い)を明確にし、意識付けることが重要です(下図①)。また、その目標に取り組むことが個人にとってどんな意味合いや展望があるのかを伝え、気づかせることが大事です(下図②)。さらには、本人が①と②を結び付けて解釈できるようなストーリーを考え、会社と個人の方向性を重ね合わせる(「エンゲージメント」を高める)ことがゴールとなります(下図③)。

期初面談フレームワーク

このフレームワークを使った演習を繰り返し行うことを通じて、評価者が共通に持ってほしい思考のプロセスを浸透・定着させます。

①ロールプレイング演習:会社と個人の方向性が一致していないケースを複数用意し、自分が上司だったらどのようなストーリーで面談を行うかを考えて実演するロールプレイング演習を行います。

②人材パターンごとの分析(グループワーク):面談に苦労する部下のタイプを想定し、上記のフレームワークにあてはめて効果的な面談のストーリーを考えます。

③実際の部下を想定した実践演習:実際の部下をフレームワークにあてはめて面談の効果的な進め方を予行演習します。

2.面談の目的(場面)に応じた情報収集とフィードバックスキルのトレーニング

クレイア・コンサルティングが提供する評価者研修では、カウンセリング理論やコーチングの技法に基づき、面談の目的(場面)に応じた情報収集・フィードバックスキルの実践的なテクニックを身に付けることが可能となります。

1on 1ミーティングなどの仕掛けを有効に活用するには、上司が面談という「場」をどうデザインするかが重要です。単に部下の意見に同意したり、共感を示せばよいわけではありません。場の目的に応じて発信すべきメッセージやコミュニケーションのスタイルを状況に応じて使い分けられるようになることがゴールです。

  • 本人の内面(気持ち・感情)に関わる情報を収集する場面
  • 振り返り(内省)を支援する場面
  • 「良し悪し」の判断基準を明確に伝える場面
  • 主体性を尊重しながら、次のアクションにコミットさせる場面

上記のシチュエーションごとに、面談の進め方や話法の実践的なテクニックを学ぶことができます。

3.評価調整会議の予行演習

評価者トレーニングの一環として、評価調整会議の予行演習を中間面談または期末評価の前に実施します。事前に仮評価を付けさせ、評価者ごと/部門ごと/等級ごとに比較・分析を行います。データからわかる示唆をコンサルタントが客観的な立場から解説し、お互いの目線のズレを確認します。

次に、評価調整会議の進行ルール(説明・議論の進め方)を明確にした上で、ロジックに基づいて評価根拠の説明と目線のすり合わせを行います。また、議論を通じて目線のズレが生じやすいポイントを明確にし、本番の評価にあたっての留意点を共有します。

  • 個人特性によるもの(極端に甘い/辛い)
  • 項目特性によるもの(基準の解釈が人によってバラつきが大きい)
  • 職務特性/部門特性によるもの(評価に歪みを生じる何らかの要因がある)

クレイア・コンサルティングの研修講師は、人事制度設計の経験が豊富なコンサルタントが担当します。人事制度の運用面の課題を見つけ出し、解決に向けたアドバイスを行うことも可能です。

研修設計のステップ

【Step1】コンセプト設定/要件定義

評価者に求められるスキル・役割の変化を踏まえて、評価者トレーニングの改定の方向性を検討します。

【Step2】基本設計

研修のコンセプト/要件に基づいて、全体のカリキュラムと重点プログラムを設計します。

【Step3】詳細設計

トレーニングプログラムごとに具体的な実施手順とツール(演習資料や講義資料など)を開発します。

【Step4】トレーニング実施準備

日程調整/必要備品や会場レイアウト等を確定します。

※オンラインでの実施も可能です。

当ページ内容についてのお問い合わせ

当ページの内容に関するご質問、資料のご請求、詳しい説明のご依頼等に関してましては、以下のリンクより
お電話、メールもしくは問い合わせフォームより、お気軽にご連絡をお願いいたします。