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【コンサルタントコラム】
「やる気」の構造 ~これがモチベーションを高める組織だ!~(2017年) - 6章 会社を元気にする「人事部」を実現する④

4.会社を元気するために「人事部の社員」がなすべきこと

では、変わりゆく人事部の役割とともに、人事部を構成する人事部員はこれからの時代に、どのようなスキルや意識を身につけていくべきでしょうか?


時代の変化に対応するには?

それに対しては、次の3つのポイントをあげることができます。

変革の時代に求められている人事部員の姿

①人事の専門性だけでなく、経営のメカニズムを理解する
これまで見てきたとおり、“管理・調整主体の人事部”では、もはや戦略的な人事部の機能を担うことはできません。人事の専門領域における知識の習得にとどまることなく、経営全般のメカニズムを深く理解する必要があります。
②プロフェッショナルとしての意識をもち、顧客に貢献する
これまでの、“官僚的・お役所的”なマインドではなく、「人事部のサービスが顧客の満足度を高めているか」「人事部が費やすコストに見合うだけのクオリティの高いサービスが社内で提供されているか」といった“顧客視点・マーケット視点”を強く意識することが必要となります。
③社員のよきパートナーとなる
人事部が組織における「人」の問題を扱う以上忘れてはならないこととして、「人事部は経営層にとってのパートナー」であると同時に、「組織で働く社員一人ひとりのよきパートナー」でもあるということを強く自覚する必要があります。

これら3つの視点を一つずつ詳しく見ていきましょう。

①人事の専門性だけでなく、経営全般の知識に精通している

「経営戦略の実現をサポートする人事部」として機能するためには、人事部員一人ひとりが経営全般に対する理解を深めなくてはなりません。

人事に携わる者である以上、働く個人の心理や組織に関する理論、人事の実務や法令を正しく理解しておくことはもちろん重要ですが、それだけでは不十分です。人事の専門知識に加え、企業の戦略や財務・マーケティング・ITといった経営のメカニズム全般に対する理解を深めていくことが重要となっています。

一例として下図は、ある企業の人事部が掲げている「人事部として習得すべきスキル」の一覧です。現在のご自身の知識やスキルレベルをチェックする意味で、人事部員以外の方々にも参考になると思います。



②プロフェッショナルとしての意識をもち、顧客に貢献する

これからの人事部員は「プロフェッショナル」であること、そして「顧客意識を強くもつこと」が求められてくるでしょう。

「プロフェッショナルである」とは、人事部員が社内の人材コンサルタントとして、その専門性を活かし、顧客の課題に適切な解決策を提供していくことです。

では、人事部員にとっての顧客とは一体誰でしょうか。それは、人事部のサポートを受けながら事業運営を円滑に進める経営層や各部門のトップであり、また一方では、社員一人ひとりであるともいえるでしょう。

人事部員は組織の中で、次のような好循環を生み出すことが必要となるのです。

≪人事部員が生み出すべき好循環≫
(a)人事部員一人ひとりが高いサービスを提供するプロとして活躍する。
(b)その結果、人事部全体が戦略的に機能し、組織全体の成長に貢献する。
(c)その結果、人事部の存在意義が認められ、人事部員一人ひとりのやる気も高まる。
③社員のよきパートナーとなる

成熟した市場競争の中で企業が勝ち残っていくためには、企業は今後も社員一人ひとりに成果の発揮を求めていかざるをえません。

その一方で、成果主義の浸透により、社員は「毎年自分に課された目標を達成しなければならない」というプレッシャーと戦い続けることになります。結果として、組織内にはさまざまな悩みやストレスを抱く社員が増えることが予想されます。

中には、現場の上司に相談しにくいことを、人事部に相談してくる社員も出てくるでしょう。そのような状況に備え、人事部員は社員が相談をもちかけやすい雰囲気を絶えずつくり上げておく必要ががあります。

昨今、産業カウンセラーキャリアカウンセラーなどの専門家を職場に配置する企業が増えています。社員と接する機会の多い人事部員自身も、キャリアカウンセリングやメンタルヘルスに関連する知識を積極的に身につけ、社員とのコミュニケーションに活用していく必要があるでしょう。


組織と個人をともに元気にする!

これからの人事部員には、「経営のメカニズムに対する理解」「プロフェッショナルとして顧客に貢献する意識」「働く個人への深い理解とコミュニケーション能力」の3つの要素が強く求められてくることを述べてきました。

それぞれの組織の人事部は、その役割の大きさと責任の重さを強く自覚しながら、経営戦略の実現に向けた人事改革・組織変革を断行し、「組織と個人の双方を元気にしていく」ことに全力を注いでほしいと願います。

【了】

※この内容は2003年に書かれたものです。



産業カウンセラー
心理学的手法を用いたカウンセリングによって、職場の人々が抱える問題を解決できるように援助するカウンセラー。

キャリアカウンセラー
個人のキャリア開発や職業選択に関する指導・助言を行う専門家。

メンタルヘルス
心の健康または精神的な健全性のこと。

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